会津の里も春彼岸までは天気も荒れますが、彼岸に入ると急に春めいてまいります。
城下町の何処からともなく春を告げる軽やかな笛や太鼓の音が響き渡りますのは、会津に古くから伝わる伝統芸能会津彼岸獅子の笛や太鼓の音色です、この笛や太鼓の音が聞こえますと春が来たんだといつも思います。
郊外の集落から数組の獅子団が城下へ入り、各家々を巡り彼岸に帰る先祖の霊を供養する為、笛や太鼓の音曲に合わせ舞を舞います。
江戸時代、城下の人々がこの彼岸獅に対しての入れ込みようは、それは大変なものが有ったらしいのです。
今のJリーグのサポーター宜しく、朝から晩までついてあるったり、仕事も手につかないばかりか、夫婦でもその時期は、ひいきの獅子に熱を入れるあまり、口を利かなくなるなんてこともあったようであります。
彼岸獅子が訪れる頃は、笛や太鼓の音色と競うかのように、うぐいすが御城下を訪れ“ホ~ホケキョ”となきながら春を告げてくれます。