おかみの花日記

ワタスゲ

| 2006-07-11 20:56 | トラックバック(0) |
わたすげ

7月の今頃、遠い昔、私は尾瀬ヶ原に一人で佇んでいた。その傍らの湿原にはどこまでもワタスゲが広がるように咲き、風に揺れていた。

尾瀬に何日いたのかもおぼろげになりはじめている。ブナ林や人の行かない湿原をさまよい、傍らにに咲く名前のわからない小さな花を、意味も無く眺めていたような気もする。

乾いた尾瀬の草原に仰向けになり、流れてゆく雲をどのくらいの時間見送っていただろうか。ただそこにいるだけでよかったのかもしれない。

ワタスゲにはそんな辛い思い出がある。それから私は尾瀬に行っていない、麓までは足を伸ばしても、どうしてもそこから尾瀬ヶ原の方へ見えない結界があるかのように足がむかない。

何かを恐れているかのように行けないでいる。ワタスゲを見ると心が揺らぐ。勇気を出して、いつかは尾瀬のワタスゲが風に揺れる湿原を歩いてみたいと願っている




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