おかみの花日記

鉈鞘(なたさや)の花入れ

| 2006-09-14 12:06 | トラックバック(0) |
鉈鞘
葡萄弦の花入れ
京都の西の塔院にある藪の内家の茶室で、利休様 から拝領したと言う鉈鞘(なたさや)の花入れを拝見したのはもう20数年前になるででしょうか。

ある日、利休様 が山の中で働く農夫の腰に下げられた鉈鞘(なたさや)の見事な造詣に魅了され、所望して譲り受けたと言う利休所持名品であります。

その鉈鞘には鉄扇が活けてあったような気がする。鉈鞘といえば、以前は、会津のあちこちの町の雑貨屋の軒先に葡萄の弦で編んだ鉈鞘が無造作にぶら下げられて売られていた。

その頃は誰もこんなものに目を向ける人もなく、信じられないような値段で売られていたものです。雪深い山奥の農民が、秋葡萄の弦を収穫し、冬の仕事に編んで置いたものを、春先雪解けの頃に仲買人が買い集め、雑貨屋に卸して歩いたと言う。

時代が変り、何処の町にも大型の郊外店が出来、そんな街中の雑貨屋も次第に姿を消していった。ところが葡萄弦の方は民具としての利用から、バックや花入れなどしだいに工芸品的な要素が強くなり、もう数万円もする高級品になってきた。

それでも編む人が年々少くなくなっている。このような時代だからこそ、失われてゆく物に強い愛着を感じる。

この花入れに花を活けるたびに、雪深い山奥の囲炉裏のいぶくさいなつかしい臭いが匂ってくるような気がする。

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コメント

[ 2006-09-15 18:19 ] 佃坊主 wrote:
こんにちは。なかなかお邪魔できない佃坊主です。新そばの頃までには何とかと思っております。さて、葡萄蔓の鉈鞘、実に面白いですね。私も鉈はいくつか持っていますが、山仕事では、もっぱら木鞘です。桜の樺で巻いた木鞘しか知らない者にとっては、葡萄蔓の鞘は、興味津々です。たしかに葡萄蔓なら花挿しにも小粋でしょうね。木鞘ではとてもそうはいきません(笑)。今でも若松の街中でも手に入れられるのでしょうか?

[ 2006-09-18 15:08 ] 親父 wrote:
佃様
鉈鞘の花入れは先日主人が、新潟県境の津川町で雑貨屋さんに売っていたと申しておりました。
そこにはヤナギの枝を編んだものもあり
とても白くてきれいでした。お店の人の話ですと
会津で作られているようです。
・・親父です・・
*女将さんが途中からコメントを変ってくれというものですから途中から親父です(^^:)
もう郊外でもほとんど見かけなくなりました。
先日津川へ遊びに行きましたら雑貨屋にまだありました。市内は見たことがありませんね・・
こういう雑貨屋も高齢化と郊外店の影響で消え行く運命にあります。郊外の街中の雑貨屋はお宝の宝庫で、時々とんでもない砥石や、道具が30年も前の価格のままで置いて合ったりします。特に食器屋を置いてある雑貨屋は中々面白いです。先日もお値打ちの徳利が信じられない値段でおいてありました。買い占めました。
タウンウオッチングも楽しいものですね

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